天野社会保険労務士事務所は大阪府 高槻市の社労士事務所。働き方を見直し、仕事と生活の調和を図る「ワーク・ライフ・バランス」を推進しています。

「やめる理由」を減らす対策では限界

弊所には人手不足や社員が定着しないというご相談が多くよせられます。
 ・求人を出してもなかなか応募がない
 ・採用したけど、なかなか育成が難しい
 ・苦労して採用したけどすぐに辞めてしまう

結局、人員確保ができず、残った人材が長時間労働でしのいでいる。
そんな状況にある企業は、このコロナ禍でも少なくありません。

特に、社員の定着や育成に関するご相談は、年々増えています。
社員を定着させ、戦力化していくために必要なことはなんでしょうか?

以前は、「やめる理由」を調べて、その理由をなくすことに注力していました。
もちろん、今も「やめる理由」、つまりその会社で良くないところを改善する
ことは必要だと思います。ただ、これだけでは離職は防げないと思います。

弊所で社員定着などのご支援をする企業には、
「やめる理由」をなくすより、「続ける理由」をつくる
ことをアドバイスしています。

この会社で働く意義、みたいなものでしょうか。
いわゆる「いい人材」は、どこの企業でも選ぶことが可能な時代です。
そのなかで、その企業で働き続けることには、積極的な理由があります。
「私は、○○だから、この企業で働く」という理由です。

この視点がないと、いくら離職理由を1つ1つ潰していってもいい人材を
定着させておくことは難しい。
「悪くない」という状況では、物足りないんです。
「ここがいい」というものが必要。

社員定着に困っている企業は、ぜひ、「うちの会社は、○○がある」という
続ける理由を打ち出せるようにしてください。

複数担当制とテレワークに向けた体制づくり

個人的なことですが、娘の通う学校は「1クラス1担任制」から
「複数担任制」に変更するようです。
教育面でのメリットを中心に説明されていましたが、明らかに労基法改正への
対策も含まれていることが分かります。
(私立学校は労基法が適用されるため、労働時間管理や有休取得が課題です)

学校に限らず、民間企業でも「複数担当制」は有効です。
例えば、1つのクライアントの担当者を2人にしておけば、1人が有給休暇で
休んでいてももう1人が対応できます。

仕事の進め方も個人任せでなくなるため、「業務の属人化」を解消に繋がります。
このメリットがもの凄く大きいものになります。

テレワークを進める際、「業務の属人化」が解消されていないと、管理職が
各社員の仕事の進め方を管理することが難しくなります。
また、業務を配分しようと考えても、それぞれのやり方が違うと業務効率が
著しく悪くなります。

テレワークはいざ始めてみると業務効率が悪くなるという声が多く聞かれます。
業務効率を落とさず、さらに効率よくテレワークを進めるための準備として、
実際の職場で仕事をしているときから、業務の属人化を解消していくことが求められます。
そして、この属人化を解消する手段として、複数担当制はとても有効です。

労基法改正に対応するため、有給休暇の消化や残業時間などに気を配る必要があります。
ただ、法対応をするから利益が下がることはやむを得ないということではありません。
私は、ワークライフバランスコンサルタントとして企業の働き方改革を進める際、
法令遵守をしながら、業務効率も高め、利益率をアップしていくことを目指しています。
そして、いくつかの企業で実現してきています。

これからの働き方を真剣に考える時期だと思います。
1つずつ、できることを進めていきましょう。

管理職に求められる「監視」ではなく「管理」

前回、テレワークを導入するために必要なことについて書きました。
機材や制度ももちろん大事なのですが、あくまで「ワーク」なので、
成果を上げないといけないし、それを評価もしないといけない。

物理的な距離が離れることだけであり、あとは「ワーク(仕事)」として
やっていかないと会社がもちません。

テレワークを導入するにあたり、部下が仕事しているかどうかを「監視」する
ことに意識がいっている企業が少なくないように感じます。
目の前に部下がいないので、きちんと仕事をしているか不安だという気持ちは分かります。
しかし、監視して分かることは「何か作業をしている」ということだけです。
成果に繋がる仕事をしているかどうかは監視では分かりません。

監視=管理、ではありません。

・何をどのくらい時間を掛けてやったのか
・仕事を進める上で、不安なことはないのか
・よりよい仕事をしようという意欲があるのか
・会社(組織)の目的を踏まえた仕事をしているか

例えば、部下について、上記のようなことがわかりますか。
「管理のポイントは、関心を持つこと」です。
部下が、利益(成果)に繋がる働きをできているか、できていないのであれば
どのようなサポートが必要なのかを把握し、必要な手を打つ。

このことは、普段の仕事場でもテレワークでも同じです。
テレワーク導入は、管理職の「管理する力」が如実に試されます。
課題が顕在化すると思います。

今までできていなかったことは、今後、管理職を育成してできるように
なればいいことです。
今回のピンチをチャンスに変えるためにも、その場しのぎのテレワークではなく、
成果にこだわるテレワークにしていきましょう。

このことが組織を強くし、生産性の高い会社へと成長していくことに
繋がっていきます。

テレワーク導入前に必要なこと

コロナウィルス感染症の拡大予防のため、テレワークを実施している企業が増えています。
今回は、緊急かつ短期的な処置だと思いますが、今後、しっかりとテレワークを導入したいと
考えている企業も少なくないはずです。

通信機器を導入し、セキュリティ体制を整えれば、テレワークは継続的に実施できるでしょうか。

社員、部下の業務を適切に配分できますか?
業務について具体的に指示を出すことができますか?
成果に対して、適切な評価を行うことができますか?

実際、すでにテレワークをじっしている企業からは、以下のような声が聞かれます。

部下がきちんと仕事をしているか不安。
時間をもてあましているが、何をさせていいか分からない。
テレワーク期間については、評価対象から除外することを検討している。

テレワークを有効に活用するためにもっとも重要なことは、何でしょうか?
それは、部下の業務を日頃から把握できていることです。
なんとなくではなく、きっちり把握できているからこそ、物理的な距離が離れても
部下の仕事を管理し、評価もできるのです。

私は、ワークライフバランスコンサルタントとして企業の業務改善に関わることがありますが、
そのときは必ず「タスクシート」と呼ばれるツールを活用します。

タスクシートは次の2ステップで作成します。
①始業時に1日の業務予定を15分単位でエクセルに入力
②終業時、その予定に対してどのような実績となったかを入力し、比較

これを上司も確認し、コメントする。

このことを1、2ヶ月ほど続けると、上司は如何にいままで部下の仕事を理解していなかったがわかります。
部下が何が得意で、何にどのくらいの時間を使い、何に困っているのか。
どのようにサポートしたら、より成果が上げられるのか。

タスクシートを活用することで、上記のようなことが分かるから、業務効率を上げることができ、業績向上、残業削減に繋がります。
このように部下の仕事が分かっていれば、物理的に距離が離れても仕事を任せることができます。

今回のコロナ騒動が、今までの仕事の進め方を見直すきっかけになっている企業も多いです。
テレワークの導入を検討する際には、どのように業務を把握し、指示を出し、サポートし、

評価するのか。

そこまでを考えて、進めるようにしてください。

理系女性のためのキャリアパス@大阪薬科大学

1.テーマ :キャリアデザイン
2.日時  :2019年9月28日
3.場所  :大阪薬科大学

大阪薬科大学、武庫川女子大学など4大学の大学間連携科目である
『理系女性のキャリアパス設計論』を担当しました。

今年で4回目の担当となりましたが、昨年に続き、今年も男子学生が参加していました。
この授業、テーマに興味があれば参加できるので、女性だけでなく男性もOK。
圧倒的に女性が多い中で、男性としての意見を発信してくれたので、議論の幅が広がりました。

専門性を持った職業を目指している女性が多かったですが、やはりキャリアについては
気になるところ。ワークキャリア、ライフキャリアを分けることなく、人生全体をみて、
どのように生きていきたいかを考えていく内容となりました。