男性育休 「急に言われても・・」とならないために
2015年9月25日
先日、ある会社の社長からご相談を受けました。
男性社員が急に「半年間、育児休業取ります」と言ってきたが、
人員確保ができず困っているという内容でした。
男性の育児休業取得率は2%程度ですが、今後は確実に増えていきます。
「急に言われても・・・」とならないためにはどうしたらよいでしょうか。
男性は見ても分からない 情報収集がカギ
女性は妊娠したら外から見ても分かります。
なので、育児休業を取るつもりなのかどうかという情報は集めやすいです。
しかし、男性はその妻が妊娠しているかどうか、見た目では分かりません。
分からないままいると、「急に・・・」という事態になります。
つまり、男性については出産や育児ということについて、会社側から積極的に
情報を集めなければなりません。
たとえば、妻の妊娠6か月くらいのころに会社がその情報を掴んでいれば、
「出産後は、どうするつもりか、育児休業は考えているか」なども相談できます。
とは言え、プライベートな情報を集めることは、容易ではありません。
どのように情報を集めたらよいでしょうか。
先に情報を提供していくのがポイント
情報を集めるためには、先に情報を提供していくのが良いです。
女性社員に対してだけでなく、男性社員に向けても出産や育児に関する
社会保険制度や育児休業などについて、情報を会社から提供していきます。
外部の講師を招いて、講演してもらうのも良いと思いますし、父子手帳の
作成というのもありだと思います。
来年から施行される予定の助成金では、この辺りの活動が支給対象に
なるのではないかと思われます。
そもそも、妻が育児休業を取っている期間に、自分も育児休業を取れると
いうことを知らない男性は少なくありません。
現に最初にお伝えした事例は、男性社員が妻の出産の際に、男性の
育児休業制度について知り、取れるのであればとりたいと言い出したものです。
この社員があらかじめ育児休業制度について知っていれば、急に言い出す、ということ
にはならなかったでしょう。
今後、育児休業は女性だけでなく、男性も取得する人が増えていきます。
そのためにできることを1つずつ、始めていきましょう。
子育て社員への過度な優しさは逆効果
2015年9月25日
子育て中の社員、特に育休明けの女性社員の労務管理において、
過度な優しさが逆効果となっているケースが散見されます。
「やる気があるのに楽な仕事に変えられた!」
「過度な優しさ」として一番よく見かけるのが、楽な業務への転換です。
育休前は専門性を発揮していた社員に対し、単純作業や専門性の低い
業務を任せるようにするという例です。
これは、一つには純粋に優しさから行われることがあります。
ブランクがあり、体調もシンドイだろうか、という優しさ。
でも、能力が高い社員ほど、プライドを傷つけられることが多いようです。
また、育休明けは、子どもの発熱等で休んだりしがちだから、
重要度の低い仕事に変えるというリスクヘッジとして行うこともあります。
これは、その社員の能力を低く見積もりすぎていませんか?
私が話しを聞いたり、関わったりしているワーキングマザーは、色んな工夫をして、
業務に穴をあけないように努力しようという気合を持っている方が多いです。
業務効率向上のための本を読んだり、ツールを使ったりして、子どもの状況に
寄らず、業務を遂行しようとする意識が高いように感じます。
予防策としては、もっとヒアリングの時間を取ってください。
育休復帰直後には、「楽な仕事」を望んでいるケースもありますが、
少し慣れてくると、やはり専門性を発揮した業務を行いたいと思っている方も
少なくありません。
会社として「優しさ」を接するのであれば、こまめに希望を確認して、
やる気があるのであれば、どんどん任せてみてください。
「子育て中だから・・・」という理由で、優しくすることは逆効果です。
もちろん、配慮すべきこともありますが、一方的に決めつけすぎないように
してください。
イクボスが会社を社会を強くする!
2015年7月20日
2014年11月17日 大阪の堺市の市町が「イクボス宣言」をしたことが
ニュースになっていました。

最近、ニュースや雑誌等でも目にするようになった「イクボス」とはなんでしょうか。
そして、なぜ、イクボスが注目されているのでしょうか。
イクボスの話しの前に、イクメンや男性の育児休業の面から見ていきましょう。
1.個人の考え方も国の制度も変わってきた
私は、NPO法人ファザーリングジャパンという父親の育児支援などを行う
NPO法人で活動していますが、その活動を通して、男性の育児や家事に
対する考え方は、変わってきたと感じています。
厚労省の雇用均等基本調査では男性の育児休業取得希望者が約3割に
達しており、民間の調査では5割以上の値が出ることも珍しくありません。
育児休業を取りたいと思っている男性が多いのに、 取得率は約2%に低迷しています。
一方、国も頑張っています。
「女性の活躍推進」には「男性の家庭進出」が並行して進むことが求められ、
政府の資料を見ても「男性」に向けた施策は少なくありません。
育児休業給付金が増額され、しかも父と母が別々に取った方が有利になる
個別給付の考え方が強く反映された内容に変わってきました。
個人の意識も国の制度も変わってきたのに男性の育休取得率が
上がっていくような動きは見られません。
2.育児休業取得が進まない理由は
では、なぜ育児休業取得が進まないのか。
制度に対する知識不足という側面があることは否めません。
私は行政からのご依頼で、市民向けにワークライフバランス等のテーマで
講演する機会がありますが、育児休業制度について正確な知識を持っている
パパ、ママは多くありません。
必要な情報が必要な人に届いていないもどかしさを感じますが、理由は
これだけではないと感じています。
育児休業を取りたいのに取っていない人にその理由を尋ねると・・・
・職場に迷惑が掛かる
・男性の育児休業取得の前例がない
・評価が下がるのが怖い
・戻る場がなくなっていそう
つまり、職場の理解が得られず、迷惑を掛けたり、不利益を被ることが
理由になっていると考えられます。
この意識を変えていかなければ、制度を良くしても育児休業取得者は増えません。
3.経営者の理解は進んでいる。問題は・・
経営者の方々とお話していると、長時間労働問題や少子化問題に対して理解が
あり、自分の会社ではいろいろな取り組みをしているという方は少なくありません。
経営者レベルでは、理解が進んでいるというのが実感です。
現実、経営者が職場(現場)に近く接している中小企業の方が、育児休業取得率は
高いという調査結果も出ています。
本人の希望もあり、トップの理解もあるのに進まない。
問題の根幹は、管理職層にあると考えられます。
自分のチームで短期間に業績を上げないと今後の出世に影響するという考え方が
強い管理職では、男性の育児休業は最大の弊害です。
普段から社員に接している管理職の態度は、直接、子育て世代社員の行動に影響を
及ぼすため、管理職次第で育休取得率が変動するのです。
この問題を解決すべく、NPO法人ファザーリングジャパンでは、
「イクボスプロジェクト」を立ち上げています。http://fathering.jp/
イクボスとは・・
職場でともに働く部下・スタッフのワークライフバランスを考え、
その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、
自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)のことです。
すでに、各行政、企業からの講演、セミナーのご依頼が続いています。
多くの職場でイクボスが増え、会社が強くなり、社会が変わっていくことに期待しています。
持ち味カードを使って組織活性化!
2015年6月9日
従業員が、もっと力を発揮して業績に貢献してほしい
一人ひとりが、イキイキと元気に仕事をして結果を残してほしい
所定時間内で成果をあげ、残業を削減したい
このような経営者の希望を叶えるツールに「持ち味カード」があります。
持ち味カードとは、ビジネスパーソンに必要な要素を70枚のカードにしたものです。

70枚のカードには、ビジネスシーンにおける具体的な行動事例が豊富に
掲載されていて、従業員のキャリア目標を達成するための具体的なツールです。
自分の「持ち味」を知り、行動するからこそ、力を発揮し、いきいきと輝く人財になります。
【持ち味カードの活用法】
カードになっているので、1枚1枚を吟味したり、グループで共有したりできます。

この特徴を活かし、次のような形で活用されています。
・教育研修 (新入社員研修、管理職研修、キャリアコンサルティング)
・企業の採用活動 (採用基準、アセスメントなど)
・従業員の自己啓発や組織の活性化
・グループ、従業員の行動目標設定や人事考課項目の設定
先日もある企業で、組織活性のための研修に持ち味カードを使いました。
使い勝手のいいツールとして、大変好評を頂いています。
詳しくは、当事務所ホームページのサービス一覧にあります
「人事制度が機能していないとお悩みの経営者の方へ」をご覧ください。
【ご案内】マイナンバー制度に関するセミナーについて(高槻市)
2015年6月1日
こんにちは。
高槻市の社会保険労務士の天野勉です。
平成28年1月よりマイナンバー制度が始まりますが、最近、
徐々に関心が高まってきていることを感じます。
5月、6月では、事業所向けのセミナーは3回、一般向けのセミナーは2回、
実施させて頂く予定です。
また、企業内の社員研修についてのご連絡も増えてきました。
私が所属する大阪府社会保険労務士会では、マイナンバー制度の研修も行い、
この制度の直結する専門家として、社労士の知識向上に力を入れています。
私以外でも多くの社労士が、マイナンバー制度についての研修等を実施しています。
そこで、私は主に、高槻市内においてマイナンバー制度のセミナーや研修の
ご依頼をお受けすることにして、他市については信頼おける社労士をご紹介させて頂いています。
高槻市内においてマイナンバー制度に関するセミナー、研修、一般の方への講演などの
ご要望がございましたら、お気軽にご相談ください。
実施日や料金については、できる限り、ご相談に応じていきたいと考えています。