「男性育児休業義務化」について
男性育児休業の取得を促進することなどを目的として、育児介護休業法の改正案が国会で成立しました。ただ、ニュースや新聞等では「男性育児休業義務化」という表記が目出しますが、「取得の義務化」ではないので、お気を付けください。
男性の育児休業取得率は、いまだに1割にも届かず、低迷が続いています。その状況にメスを入れるべく法改正が行われるのですが、ポイントはザクッと分けると以下の2点です。
①分割取得や休業中就業など制度面で、取りやすくする
分割取得や休業中就業は、今までもまったくできなかったわけではないのですが、今回の改正で、より制度を使いやすくしています。
②育休取得意思の確認義務(取得しやすい雰囲気づくり)
今回、義務化されたことは「育児休業を取得する」もしくは「取得させる」ことではなく、「取得の意思を確認すること」です。
育休対象の男性社員に対し、企業側から制度の説明と育休取得の意思を確認することが求められます。これは、いくら制度や権利があってもなかなか育児休業を取りたいと言い出せなかったことが背景にあります。
私も所属しているNPO法人ファザーリングジャパンが実施した調査でも育児休業取得促進には、会社や上司の理解がもっとも重要という結果が出ています。企業側から説明や意思確認を行うことで、育休取得を言い出せる社員が増えていくことになると思われます。
男性、女性とわず、育児や介護で一時的に職場を離れることは、今後ますます当たり前になっていきます。その環境下で、どのような人事体制を取り、業績を落とすことなく企業が成長していくのか。
今回の法改正をきっかけに、各企業で考えていただきたいテーマです。